岡崎京子の漫画『pink』は独特だけど、どこか身近にも感じる世界が広がっている
ヘルタースケルターというと、少し前に映画化されて知っている人も多いともいます。
著者は岡崎京子。他にも幾つか作品がありますが、そのうちの一つ『pink』という漫画を読んでみました。
ヘルタースケルター同様、エロスと独特のキャラ設定。どこかサッパリとしていて、それでいて”愛”においてはドロっとした部分を感じます。
著者のあとがきには”すべての仕事は売春である”という、ジャン=リュック・ゴダールの言葉に同じように思うと述べています。
そしてそれとは別に、愛は生あたたかいものではないともあります。
このような著者の考えが作品の濃さに影響してるんだなぁという感じ。
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ワニがペットでそれを飼い続けるためにバイトでホテル嬢をしている主人公と、継母とその娘、継母の愛人が繰り広げる独特な世界観。仕事や家庭のことが面倒だったり、好きな香りやふかふかのふとん、おしゃれなど、ちょっとしたことで幸せを感じる瞬間。そういう身近な部分は共感します。
しかし結末はスッキリしません。これから心機一転して旅立とうという時に待っている人が来ない、そんな終わりです。
世界の見方にどこか共感できる部分もありますが、なかなか全てにおいてその世界観に浸ることは難しかったです。
独特だと思うのだから、私とは考え方や捉え方が違うということ。それを全部受け入れられないのも当然といえば当然ですね。
トキメク恋愛ものに飽きた人は、こういう少し違った角度で書かれたものをみてみるのもいいかもしれませんね。
ちなみに『pink』の第一刷発行は2010年とあります。比較的最近?と思いましたが、初出はNEWパンチザウルス1989年の連載分に加筆・訂正した初版『pink』の新装版みたいです。かなり古い作品ということですね。
リバーズ・エッジとヘルタースケルターも読みましたが、他にもたくさん作品があるようです。