灰色の朝のモノローグ

からっぽになって、それでまた寝るの。おやすみなさい。

『西の魔女が死んだ』のおばあちゃんの言葉にグッと来た。

おばあちゃんといえば、いつもニコニコしててあったかくて。日向の暖かさのような、そんな印象。そういう設定の話も多いので、尚の事そういうイメージが強いです。

『西の魔女が死んだ』というタイトルの小説。この西の魔女とはおばあちゃんのこと。そしてこのおばあちゃんもそのイメージに当てはまります。

タイトルだけ見て私はてっきりファンタジーなのかと思いましたが・・。魔法使いがモンスターを倒して・・なんていう内容ではありません。魔女修行という名の、自分で決断して自分の足で歩んでいく力、本当に大切なことを見たり聞いたりする力を養う修行。一見簡単なようで難しいこと。孫であるまいのこの修行を、導きながらも温かく見守ってくれるおばあちゃん。

”死んだらどうなるのか”というまいの疑問に、おばあちゃんは魂となってまた生き続けるということを伝えます。それは言葉だけでなく、実際におばあちゃんが死んでしまった時も証明してくれたのでした。魂となったおばあちゃんがまいに伝えたメッセージ。

もうここで感動の波が押し寄せてきてうるうるしてしましました・・。 

ここだけに限らず、おばあちゃんの言葉一つ一つが心に響きます。

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 ある時隣に住むおじいさんのことで二人は喧嘩をして、まいが家に帰るその時まで二人のわだかまりは完全にはなくならなかった。今度謝ろううと思っているうちに時は流れ、ついにはその言葉を告げるタイミングをなくしてしまう。というこの流れ。

もやもやしたまま別れ、そのまま二度と会うことができなくなってしまったという展開はテレビでも本にもどこでも存在します。こういうのを見ると私はいつも最悪だ、と思います。

だからなるべく自分はこうならないようにしようと決めています。喧嘩別れはしない。簡単なようだけど、これは結構難しい。 時々喧嘩したまま別れると、その時はイライラしてても時間が経つと頭が冷えてきて。。このまま最悪なことが訪れてずっと会えなくなったらどうしよう・・と不安に襲われます。

だからそうならないようにと、自分の中で決めたことの一つなのです。読んでてまたそんなことを思い出しました。

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イギリス人であるこのおばあちゃんの物事に対する考え方と暮らし方。これは自分には真似できないと思いつつも、こうなれたらいいなぁと羨ましくもあります。

生と死についてのその考え方も素敵だなと思う。読んでて前向きになれたのは確かです。

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)